最近、源氏を読み直してる。といっても訳文だけど。
各地で話題のリンボウ先生こと林望氏の「謹訳 源氏物語」 。
謹訳 源氏物語 一 林望 祥伝社 2010-03-16 |
評判通り、まるで現代小説のように読みやすい。
なんだか文語、古語だと曖昧で奥床しい色事関連の表現も、こう、ぐっと現代的で直接的な表現だと、なんだか少し恥ずかしくなり、こんな大胆な内容なのだと今更ながら驚いてもみたり。
高校生など、手っ取り早く源氏の筋を頭に叩き込みたいという向きにも分かりやすくていい。マンガ「あさきゆめみし」でもいいのだけれど、それよりもこっち、やっぱりテキストで一度は読まなきゃ。 一応、あさきゆめみしの試験対策版もあるんだけどね~
試験によくでる『あさきゆめみし』~受験必勝! 名作マンガで『源氏物語』徹底読解~ 大和 和紀 伊藤 義司 講談社 2008-04-19 |
で、一度、筋を頭に入れたら読んでいただきたいのがこれ。
田辺聖子先生の「春のめざめは紫の巻 新・私本源氏」。
春のめざめは紫の巻 新・私本源氏 (集英社文庫) 田辺 聖子 集英社 1987-01-20 |
いやね。
薄々は気づいていたさ、源氏の絢爛豪華な貴族生活、
まどろっこしいったらありゃしないし、ちょっと周りも源氏を持ち上げすぎだし、
源氏は自意識過剰すぎ、自己満足にもほどがあるよと。
そこをね。源氏に幼女のころ誘拐され、源氏好みに育て上げられた姫が
「けっ!流行遅れなのよ。ダサッ」と源氏をこき下ろすというパロディ版。
痛快の一言。
でも、これはこれ。
やはり源氏はこうでなくっちゃと、何度も読み返してしまうのは、
谷崎潤一郎の新々訳。機会があれば文庫ではなく
画壇の大家が描いた挿絵、装丁も美しい単行本で。
※アマゾンで売っているのは文庫版です。
潤一郎訳源氏物語 (巻1) (中公文庫) 紫式部 谷崎 潤一郎 中央公論新社 1991-07 |