国際福祉機器展レポート2018

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今年も、東京ビッグサイトで開催されている
国際福祉機器展に行ってまいりました!
今年の開催は、
2018年10月10日(水)~10月12日(金)までの3日間です。

国際福祉機器展
https://www.hcr.or.jp/
以前、福祉車両を利用されている方々を知る機会があり、
それ以来、継続して足を運んでいます。
毎年、このWilling+でも簡単ですがレポートさせて
いただいており、今年も行ってまいりました!


今年のテーマ:展示表示方法の比較

 

今年は「展示表示方法」をテーマとして見学しました。

国際福祉機器展では、福祉車両の実物が展示されており、
実車の回転シートに座ったり、
車いすのまま乗り込んだりするほか、
各部分を操作して確認することができます。

その際、各機能やサイズなどを説明する表示が
行われていますが、各メーカーで
表示方法が異なっています。

今回は、大手自動車メーカーの、
トヨタ&ダイハツ、スズキ、日産、ホンダ(見学順)
の表示方法を比較してみます。

今回の比較対象は、この4つのメーカーが
共通して展示していた、
車いすのままスロープを使って
乗り降りするタイプの車いす移動車を対象とし、
車の後ろの開口部の位置から見たときに、
パッと見てわかるような表示では、
どのような情報がどのような形で表示されているか
ということを見学しました。

ドア横などの仕様詳細の表示ではなく、
あくまでも開口部を開いた時にわかる表示ということで
比較しています。

なお、撮影タイミングが合わず、
一部撮影画像に来場されていた方が写りこむ、
あるいは、撮影したタイミングで開口部が
閉じられてしまったなど、写真では表示が見づらい、
あるいは表示が見えない場合があります。
ご容赦ください。

 

●トヨタ&ダイハツ

トヨタとダイハツは一緒に展示していて、
表示方法も共通していました。
ここでは、トヨタのシエンタの車いす移動車の
展示を確認しました。

トヨタとダイハツは、スロープ角度が9.5度と
緩やかとなっている点が、
他とは異なる特徴となっています。

※撮影のタイミングで車の開口部の操作が行われたため、
表示部分が見づらい画像で申し訳ありません。
なお、実際にスロープが出ている様子は
こちらのウェブサイトでご確認いただけます。

トヨタ シエンタ(ウェルキャブ)|タイプI|トヨタ
https://toyota.jp/sienta/welcab/

【表示内容】
スロープ幅:○(写真にはないが、スロープに表示あり)
スロープ突出長(スロープを引き出した時の長さ):○
スロープ角度:○
スロープ耐荷重:×
開口幅:×

開口部を開けて、スロープを引き出すと、
ちょうど表示がぴったりとスロープに沿った形で
角度が表示されるようになっています。

ホームページにはかなり細かい寸法の記載があり、
利用できる車いすに関する情報もふんだんに
掲載されています。
ただ、他社で記載されている、スロープ耐荷重や
開口幅といった記載はないようです。

車いす仕様車|シエンタ|トヨタ
https://toyota.jp/sienta/welcab/w_chair_slope/


●スズキ

スズキのスペーシアを利用した
車いす移動車の展示を確認しました。

今回見学した中では、もっとも多くの情報が
シンプルにとても見やすく表示されていたことが
印象的でした。

【表示内容】
スロープ幅:○
スロープ突出長(スロープを引き出した時の長さ):○
スロープ角度:○
スロープ耐荷重:○
開口幅:○

車幅に合わせて床を囲むようにして表示されていたため
目線を移動させなくても、
一目で多くの情報が確認できる点が
もっともわかりやすいと感じました。
ただし、車いすがスロープの下にある場合は、
車いすの設置場所によっては、
スロープ幅の表示の上に乗ってしまうので、
見えなくなる場合があると思います。

ホームページにも、寸法図が掲載されていますが、
そちらもわかりやすい表示となっています。
実際に自分が利用する場合を想定しやすい内容を
選択的に表示しているな点もわかりやすいと感じました。

WITHシリーズ|スペーシア|スズキ
http://www.suzuki.co.jp/car/with/wheelchair_spacia/


●日産

日産のセレナを利用した
車いす移動車の展示を確認しました。

【表示内容】
スロープ幅:○
スロープ突出長(スロープを引き出した時の長さ):×
スロープ角度:×
スロープ耐荷重:×
開口幅:×

この車両の場合、開口部側から確認できるのは
スロープ幅のみとなっていました。
その代わり、この車両の特徴が両側に表示されていました。
「体験!3列目も視野広々、100%モータードライブ!」
と記載されています(両側とも同じもの)

ホームページには、寸法の記載があります。
スロープ角度は10度で、トヨタ&ダイハツに次いで、
角度緩やかになっているようです。

展示の際には、スロープの幅だけでなく、
もう少し一目でわかるような情報掲載があると
わかりやすいように思いました。

日産セレナ|車いす仕様車|日産
https://lv.nissan.co.jp/LVCAR/SERENA/SLOPE/


●ホンダ

ホンダのNーBOXを利用した
車いす移動車の展示を確認しました。

【表示内容】
スロープ幅:○
スロープ突出長(スロープを引き出した時の長さ):○
スロープ角度:○
スロープ耐荷重:×
開口幅:×

スロープ上の角度表示などは、
数字が読みやすいフォントとレイアウトが
採用されていることが印象的でした。

スロープ上に記載された表示は、
誰も操作体験をしていなければ確認ができますが、
操作体験をしている最中は見えないこともある点は
留意が必要かもしれないと感じました。
逆に車いすを地面に下ろしている時には、
スロープ上に表示があるほうが隠れないと思います。

ホームページには、開口部などの寸法も
掲載されています。

N-BOX 車いす仕様車|HONDA
https://www.honda.co.jp/welfare/nbox/wheelchair/price.html

以上のように、車いすのままスロープを使って
乗り降りするタイプの車いす移動車を
展示しているといっても、
その表示方法は様々だということがわかりました。

実際、各社の福祉車両は、細かい部分にも
様々な工夫が施されています。
その特徴は、質問して初めてわかることも多く、
訴求ポイントとして使えるのに、表示しないのは
少し残念だなと思いました。

国際福祉機器展において、福祉車両の展示は、
ブーズも大きく、見学している人も多いため、
そのような中で他社との差別化を伝えるためにも、
自社が開発において工夫している点や
その車種を福祉車両として利用する際の特徴を、
さらにわかりやすい表示で説明できると
より多くの方に伝わるのかもしれないと思います。

余談ですが、今年は、マツダが出展しておらず、
毎年、他のメーカーとは一線を画す福祉車両を展示していて、
車好きの方が集まり、楽しそうに見学する様子が
今年は見られなかったのは残念でした。

ロボット系の展示も少ない印象でした。
癒し系の人形も減っていたような。
(毎年展示されていた、うなずきかぼちゃんも
昨年の11月で製造終了となりました)

今年は例年以上に、変化が見えた年でした。

来年の国際福祉機器展は、
2019年9月25日(水)~26日(金)
に開催予定です。

来年もテーマを設けて見学したいと思います!

なお、弊社では、福祉車両リンクウェブを公開しています。
主要自動車メーカーの福祉車両を機能などで
検索ができるようになっています。
よろしければ、ご利用ください。

福祉車両リンクウェブ|運営:有限会社ウィリング


https://welfare.willing-net.com/web/

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